美容室の給湯システムとは?営業を支える重要設備を解説

美容室のシャンプー設備を考えるとき、シャンプーチェアやシャンプーボールに目が向きがちです。

しかし実際には、給湯システムこそ美容室の営業を支える非常に重要な設備です。

どれだけ良いシャンプー台を導入していても、お湯が出なければシャンプー施術はできません。

私は美容機器メーカー営業として20年以上、多くの美容室の開業や改装に携わってきました。

その経験から言えるのは、給湯システムは美容室の心臓であり、同時にアキレス腱にもなり得る設備だということです。

この記事では、美容室の給湯システムの基本と、開業前に知っておきたい考え方を解説します。

この記事でわかること
  • 美容室の給湯システムとは何か
  • 給湯器だけでは考えられない理由
  • バックアップ機能が重要な理由
  • シャンプー面数と給湯能力の関係
  • 給湯トラブルで営業に支障が出るケース

美容室の給湯システムとは?

美容室の給湯システムとは、シャンプー施術に必要なお湯を安定して供給するための設備全体を指します。

単に給湯器を設置すれば良いというものではありません。

給湯器、配管、バルブ、サーモミキシング、加圧ユニットなどが関係し、シャンプー面に安定したお湯を届ける仕組みが必要です。

お客様は、快適な温度でシャンプーを受けられることを当たり前だと考えています。

しかし、その当たり前を支えているのが給湯システムです。

給湯システムに問題が起きると、温度ブレ、水圧不足、最悪の場合はお湯が出ないというトラブルにつながります。

給湯システムは美容室の心臓でありアキレス腱

美容室にとって給湯システムは、心臓のような存在です。

お湯が安定して供給されているからこそ、シャンプー施術が成り立ちます。

一方で、給湯システムは美容室のアキレス腱にもなります。

普段は目立たない設備ですが、トラブルが起きると営業に大きな支障をきたすためです。

シャンプーチェアが1台故障しても、他の設備で対応できる場合があります。

しかし、お湯が出なければシャンプー施術そのものができません。

給湯システムは、お客様の快適性だけでなく、美容室の営業継続にも直結する重要設備なのです。

給湯器は1台あれば十分とは限らない

美容室の給湯システムで重要なのは、単純に給湯器の号数だけではありません。

大切なのは、万が一の故障時にも営業を止めないためのバックアップ機能です。

例えばシャンプー面が2面ある場合、16号給湯器を2台設置し、それぞれのシャンプー面に対応させる考え方があります。

通常時は、1台の給湯器が1面のシャンプー台を担当します。

そして、もし片方の給湯器が故障した場合は、バルブを切り替えて、もう片方の給湯器で最低限の営業を続けることができます。

この場合、同時に使えるシャンプー面数は減ります。

しかし、完全な営業停止を避けられる可能性があります。

美容室の給湯システムでは、能力だけでなく「故障した時にどう営業を続けるか」まで考えておくことが大切です。

シャンプー面数が増えると給湯設計は難しくなる

シャンプー面が1面や2面の小規模美容室であれば、加圧ユニットを使わなくても対応できるケースがあります。

現在の水道圧はある程度確保されているため、少ない面数であれば通常の給湯器構成で対応できる場合もあります。

しかし、シャンプー面が3面以上になると考え方が変わります。

水道の入水は基本的に一箇所から入ってきます。

そこから複数のシャンプー面へ枝分かれしていくため、3面、4面、5面と同時に使用すると、水圧が不足しやすくなります。

さらに、給湯器側にも大量のお湯を作り続ける能力が求められます。

そのため、シャンプー面数が増えるほど、給湯能力・水圧・温度安定性を総合的に考える必要があります。

加圧ユニットが必要になるケース

シャンプー面数が増えると、加圧ユニットの導入を検討するケースがあります。

加圧ユニットとは、お湯をためて圧力をかけ、シャンプー面へ安定して送り出すための設備です。

お湯の水圧や温度を安定させ、複数のシャンプー面で快適にシャンプーできるようにする役割があります。

ただし、すべての美容室に加圧ユニットが必要というわけではありません。

シャンプー面が1面または2面の小規模美容室では、初期費用や工事費、ランニングコストを考えると、必ずしも導入が必要とは言えない場合もあります。

一方で、3面以上のシャンプーブースを設置する場合や、複数面を同時に使用する可能性が高い美容室では、加圧ユニットを検討する価値があります。

給湯システムは、高額な設備を入れれば良いというものではありません。

美容室の規模、シャンプー面数、同時使用頻度、予算に合わせて考えることが重要です。

給湯トラブルで多いケース

美容室の水廻り設備では、給湯器そのものよりも周辺部品のトラブルが起きることもあります。

私の経験では、シャワーホースの破損、温度ブレ、開閉コックが固くなる、水圧不足や水圧過多、給湯器の不着火などの相談がありました。

特に温度ブレは原因特定が難しいトラブルです。

給湯器、サーモミキシング、加圧ユニット、配管など、複数の要因が関係することがあるためです。

また、商業施設内の美容室では、給湯器の吸気・排気不良によって不着火が起きるケースもあります。

給湯器が正常に燃焼できなければ、お湯を作ることができません。

このようなトラブルは、給湯器単体ではなく、設置環境や施設条件まで含めて考える必要があります。

メーカー営業20年の本音

美容室の給湯システムで最も重要なのは、バックアップ機能だと考えています。

給湯器が故障した時、加圧ユニットが不調になった時、どのように営業を継続するのか。

ここまで考えて設計しておくことが大切です。

給湯システムはお客様から見える設備ではありません。

しかし、ここに問題が起きると美容室の営業に大きな影響が出ます。

オーナー自身が専門家になる必要はありませんが、給湯システムが美容室の営業を支える重要設備であることは理解しておくべきだと思います。

まとめ

美容室の給湯システムは、シャンプー施術に必要なお湯を安定して供給するための重要設備です。

給湯器だけでなく、配管、バルブ、サーモミキシング、加圧ユニットなど、複数の設備が関係します。

特に大切なのは、給湯能力だけでなく、故障時にも営業を止めないためのバックアップ機能を考えることです。

シャンプー面数が増えるほど、給湯設計は複雑になります。

美容室の規模や運営スタイルに合わせて、無理のない給湯システムを計画しましょう。

運営者プロフィール

この記事を書いた人

ネットサロンメイト運営者

大手美容機器メーカーに20年以上勤務し、多くの美容室・美容ディーラーの現場を経験。
シャンプーチェア・シャンプーユニット・給湯設備など、美容室の水廻り設備に長年携わってきた経験をもとに情報発信しています。

  • 美容機器メーカー勤務:20年以上
  • 美容器具・水廻り設備販売:15年以上
  • シャンプーチェア・シャンプーユニットの提案経験多数
  • 美容室オーナー・美容ディーラーと取引多数

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