美容室の給湯器は何号を選ぶべき?シャンプー面数別の考え方を解説

シャンプーシステム基礎知識

美容室のシャンプー設備を考えるうえで、給湯器の号数選びは非常に重要です。

家庭用の感覚で給湯器を選んでしまうと、シャンプー時にお湯の量が足りなかったり、温度が安定しなかったりする可能性があります。

美容室では一般家庭よりも多くのお湯を使用します。

特にシャンプー面が複数ある美容室では、給湯器の号数だけでなく、給湯器の台数やバックアップ構成まで考える必要があります。

私は美容機器メーカー営業として20年以上、多くの美容室の開業や改装に携わってきました。

この記事では、美容室の給湯器は何号を選ぶべきか、シャンプー面数別の考え方を解説します。

この記事でわかること
  • 給湯器の号数の意味
  • 美容室で必要なお湯の量
  • シャンプー1〜2面の給湯器構成
  • シャンプー3面以上で考えるべきこと
  • バックアップ構成が重要な理由

結論|美容室の給湯器は「何号か」だけでは決められない

美容室の給湯器は、シャンプー面数だけを見て「○面なら○号」と決めるのではなく、同時使用する台数や水温、水圧、配管、バックアップまで含めて考える必要があります。

特に美容室では、お湯が使えなくなるとシャンプー施術そのものができなくなるため、給湯能力だけでなく故障時の営業継続も重要です。

この記事では、給湯器の基本的な号数の考え方と、私がメーカー営業時代に実際に提案していた構成例を紹介します。

給湯器の号数とは?

給湯器の「号数」とは、給湯能力を表す目安です。

具体的には、水温より25℃高いお湯を1分間に何L出せるかを表しています。

給湯器の号数 給湯能力の目安
16号 水温+25℃のお湯を約16L/分
24号 水温+25℃のお湯を約24L/分
32号 水温+25℃のお湯を約32L/分

ただし、実際に出せるお湯の量は水温と設定温度によって変わります。

例えば冬場のように水温が低い時期は、同じ給湯器でも夏場より出湯量が少なくなるため、号数だけで判断しないことが重要です。

美容室では給湯器の号数だけで考えてはいけない

給湯器選びでは、号数だけを見て判断しないことが大切です。

例えば、単純に「大きい号数の給湯器を1台入れれば良い」と考える方もいるかもしれません。

しかし美容室では、給湯器が故障した時にどう営業を続けるかという視点も重要です。

お湯が出なければ、シャンプー施術はできません。

つまり、給湯器の号数選びは単なる能力選定ではなく、営業を止めないためのリスク管理でもあります。

私がメーカー営業時代に重視していたのは、給湯能力とバックアップ機能の両方でした。

シャンプー1〜2面で私が提案していた給湯器構成

ここから紹介する構成は、私が美容機器メーカー営業時代に美容室へ提案していた一例です。

実際に必要な給湯能力は、シャンプー設備の仕様、水温、設定温度、水圧、配管条件、他の給湯設備との同時使用などによって変わります。

そのため、最終的な給湯器の能力や台数は、施工を担当する設備業者や給湯器メーカーに確認してください。

そのうえで、当時私がシャンプー1〜2面の美容室でよく考えていたのが、16号給湯器を複数台使い、バックアップも確保する構成です。

シャンプー面数が増えると、給湯器の号数だけではなく、複数面を同時に使用したときの湯量や水圧まで考える必要があります。

私がメーカー営業をしていた頃は、3面以上になると加圧ユニットを含めた給湯システムを検討するケースがありました。

ただし、加圧ユニットが必要かどうかは店舗ごとの給水圧や配管条件によって異なるため、設備業者による確認が必要です。

万が一の故障に備えて、16号給湯器を2台設置する構成です。

シャンプー2面の場合は、16号給湯器を1台ずつ、それぞれのシャンプー台に対応させる考え方です。

通常時は、1台の給湯器が1台のシャンプー台を担当します。

もし片方の給湯器が故障した場合は、バルブを切り替えることで、残った給湯器を使って最低限の営業を続けることができます。

もちろん同時に使えるシャンプー面数は減ります。

しかし、お湯が完全に使えなくなるわけではないため、営業停止を避けられる可能性があります。

なぜシャンプー1面に給湯器1台を割り当てるのか

ここで「給湯器が2台あるなら、シャンプー台ごとに担当を分けるのではなく、2台でシャンプー2面を同時に担当した方が良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。

実は私自身、メーカー営業時代にこの考え方の重要性を痛感した経験があります。

過去に、シャンプー2面に対して給湯器2台を接続した際、シャンプー1面しか使用していない時にトラブルが発生しました。

16号給湯器2台であれば、合計32L/分の給湯能力があります。

しかし、シャンプー1面しか使わない場合は給湯能力が余りすぎてしまいます。

その結果、片方の給湯器が不着火を起こし、一方はお湯、もう一方は水という状態になりました。

最終的には、お湯と水が混ざり合い、お客様に供給されるお湯がぬるくなるというトラブルにつながりました。

この経験から、シャンプー面ごとに給湯器を割り当てる設計の重要性を学びました。

給湯器は単純に能力が大きければ良いわけではありません。

美容室の使用状況に合わせて、適切な能力と配管設計を行うことが大切です。

シャンプー3面なら加圧ユニットも検討する

シャンプー面数が増えると、給湯器の号数だけではなく、複数面を同時に使用したときの湯量や水圧まで考える必要があります。

私がメーカー営業をしていた頃は、3面以上になると加圧ユニットを含めた給湯システムを検討するケースがありました。

ただし、加圧ユニットが必要かどうかは店舗ごとの給水圧や配管条件によって異なるため、設備業者による確認が必要です。

シャンプー3面になると、給湯器だけでなく加圧ユニットの導入も検討した方が良いと考えます。

3面以上になると、複数のシャンプー台を同時に使用する可能性が高くなります。

水道の入水は基本的に一箇所から入ってくるため、シャンプー面が増えるほど水圧が分散されます。

その結果、水圧低下や給湯能力不足が起こる可能性があります。

そのため、シャンプー3面以上では加圧ユニットを導入し、安定した水圧と湯量を確保する構成が理想です。

ただし、予算的に加圧ユニットの導入が難しい場合もあります。

その場合の代替案として、24号給湯器1台と16号給湯器1台を組み合わせる考え方があります。

24号給湯器でシャンプー2面、16号給湯器でシャンプー1面を担当する構成です。

ただし、これはあくまでも予算的に厳しい場合の苦肉の策です。

3面以上で安定したシャンプー環境を作るなら、加圧ユニットを検討する方が望ましいと考えます。

シャンプー4面以上なら給湯システム全体で考える

シャンプー4面以上になると、加圧ユニットの導入を強く検討する必要があります。

複数面を同時に使用する可能性が高く、給湯器だけでは水圧や湯量を安定させることが難しくなるためです。

加圧ユニットは、お湯をためて圧力をかけ、シャンプー面へ安定して送り出す設備です。

特にシャンプー面数が多い美容室では、水圧の安定、温度の安定、営業の安定性という意味で大きな役割を果たします。

給湯器選びで重要なのはバックアップ機能

美容室の給湯器選びで最も大切なのは、単純に何号を選ぶかだけではありません。

万が一、給湯器が故障した時に営業を続けられるかどうかです。

給湯器が1台だけの場合、その1台が故障するとシャンプー施術ができなくなる可能性があります。

しかし、給湯器を複数台設置し、バルブで切り替えられるようにしておけば、使用できるシャンプー面数は減っても営業を継続できる可能性があります。

美容室にとって、お湯が出ないことは営業停止に直結します。

そのため、給湯器の号数選びでは、能力だけでなくバックアップ構成も考えることが重要です。

給湯器は内装業者任せにしすぎない

美容室の給湯器や給湯システムは、内装業者や設備業者が提案することが多い部分です。

そのため、オーナー自身が細かい仕様まで理解していないことも少なくありません。

しかし、給湯器はシャンプー施術に直結する重要設備です。

開業前には、最低限以下の点を確認しておくことをおすすめします。

  • シャンプー面数に対して給湯能力は足りているか
  • 給湯器が故障した場合のバックアップはあるか
  • 加圧ユニットが必要な規模か
  • 給湯器の設置場所に問題はないか
  • 将来のメンテナンスがしやすい配置か

オーナーが専門家になる必要はありません。

しかし、お湯が出なければ営業できないという事実だけは、しっかり理解しておくべきです。

メーカー営業20年の本音

メーカー営業20年の経験から

私がメーカー営業時代に重視していたのは、給湯器の号数だけではありませんでした。

大切なのは、給湯器が故障した時にどう営業を続けるかです。

16号給湯器を2台設置する考え方も、単に能力を増やすためではなく、バックアップの意味があります。

また、シャンプー3面以上では加圧ユニットを検討することが理想です。

予算の関係で24号+16号という構成を取ることもありますが、安定したシャンプー環境を考えるなら、加圧ユニットを含めて検討するべきだと考えています。

給湯器選びは、単なる設備選びではありません。

美容室の営業を守るための重要な設計だと思います。

美容室の給湯器に関するよくある質問

美容室の給湯器は何号あれば足りますか?

シャンプー面数だけでは一概に決められません。水温、設定温度、同時使用するシャンプー台の数、水圧、配管条件などによって必要な能力が変わるため、設備業者や給湯器メーカーによる確認が必要です。

給湯器は1台より2台にした方が良いですか?

複数台構成には、1台が故障した場合でも残った給湯器を使える可能性があるというメリットがあります。ただし、適切な配管や制御が必要になるため、単純に台数を増やせばよいわけではありません。

シャンプー台が増えると加圧ユニットは必要ですか?

面数が増えるほど同時使用時の水圧や湯量を確認する重要性は高まります。ただし、加圧ユニットが必要かどうかは給水圧や設備構成によって異なるため、現場ごとに判断する必要があります。

まとめ

美容室の給湯器は、シャンプー面数や同時使用の可能性を考えて選ぶ必要があります。

16号給湯器は約16L/分、24号給湯器は約24L/分、32号給湯器は約32L/分のお湯を作る能力があります。

シャンプー1〜2面では16号給湯器を基本に考え、シャンプー3面以上では加圧ユニットも含めて検討することが大切です。

また、給湯器が故障した時に営業を継続できるバックアップ構成も重要です。

給湯器選びでは、号数だけでなく、美容室の営業を止めない設計になっているかを確認しましょう。

運営者プロフィール

この記事を書いた人

ネットサロンメイト運営者

大手美容機器メーカーに20年以上勤務し、多くの美容室・美容ディーラーの現場を経験。
シャンプーチェア・シャンプーユニット・給湯設備など、美容室の水廻り設備に長年携わってきた経験をもとに情報発信しています。

  • 美容機器メーカー勤務:20年以上
  • 美容器具・水廻り設備販売:15年以上
  • シャンプーチェア・シャンプーユニットの提案経験多数
  • 美容室オーナー・美容ディーラーと取引多数

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