美容室の加圧システムとは?導入するメリット・デメリットを解説

美容室のシャンプー設備では、安定したお湯の供給が非常に重要です。

シャンプー面が少ない小規模美容室であれば、給湯器だけで対応できるケースもあります。

しかし、シャンプー面が3面以上になると、水圧や湯温の安定性を考える必要が出てきます。

そこで検討されるのが加圧システムです。

私は美容機器メーカー営業として20年以上、多くの美容室の開業や改装に携わってきました。

この記事では、美容室の加圧システムとは何か、導入するメリット・デメリット、昔と現在のシステムの違いについて解説します。

この記事でわかること
  • 美容室の加圧システムとは何か
  • なぜ3面以上で検討されるのか
  • 加圧システムのメリット・デメリット
  • 昔の加圧システムと現在の違い
  • 導入前に考えるべきポイント

美容室の加圧システムとは?

加圧システムとは、お湯をためて圧力をかけ、シャンプー面へ安定して送り出すための設備です。

給湯器はお湯を作る設備ですが、加圧システムはそのお湯を安定した水圧でシャンプー台へ供給する役割を持ちます。

美容室では、複数のシャンプー面を同時に使用することがあります。

その際、水圧が不足したり、温度が不安定になったりすると、お客様に快適なシャンプーを提供できません。

加圧システムは、こうした水圧や温度の不安定さを抑え、安定したシャンプー施術を行うための設備です。

なぜ美容室に加圧システムが必要なのか

美容室の水道は、基本的に一箇所から入ってきた水を各設備へ分岐して使用します。

シャンプー面が1面や2面であれば、通常の水道圧と給湯器構成で対応できるケースもあります。

しかし、シャンプー面が3面、4面、5面と増えていくと、同時使用時に水圧が低下しやすくなります。

また、給湯器にも大量のお湯を作り続ける能力が求められます。

つまり、シャンプー面が増えるほど、水圧・湯量・温度安定性を総合的に考える必要があるのです。

加圧システムは、複数のシャンプー面に安定したお湯を供給するために重要な役割を果たします。

加圧システムは3面以上で検討したい設備

加圧システムは、すべての美容室に必ず必要な設備ではありません。

シャンプー面が1面または2面の小規模美容室であれば、現在の水道圧や給湯器構成で対応できる場合もあります。

特に小規模サロンでは、加圧システムを導入すると初期費用や工事費、ランニングコストが大きな負担になることがあります。

そのため、1〜2面の美容室では必ずしも導入が必要とは限りません。

一方で、シャンプー面が3面以上になる場合は、加圧システムの導入を検討する価値があります。

複数面を同時に使用する可能性が高くなるため、水圧低下や給湯能力不足が起こりやすくなるためです。

美容室の規模、シャンプー面数、同時使用頻度、予算を考えながら判断することが大切です。

加圧システムのメリット

営業を安定させやすい

加圧システム最大のメリットは、営業を安定させやすいことです。

水圧や湯温が不安定になると、シャンプー施術そのものに支障が出ます。

加圧システムを導入することで、複数のシャンプー面でも安定したお湯を供給しやすくなります。

水圧を安定させやすい

シャンプー面が増えると、同時使用時に水圧が低下しやすくなります。

加圧システムは、お湯に圧力をかけて送り出すため、複数面でも水圧を確保しやすくなります。

温度ブレを抑えやすい

加圧システムは、水圧だけでなく温度の安定にも関係します。

お湯と水の圧力差が大きいと、シャンプー中に温度が不安定になることがあります。

加圧システムによって安定した圧力で供給することで、温度ブレを抑えやすくなります。

複数面の同時使用に対応しやすい

シャンプー面が3面以上ある美容室では、複数面を同時に使用する場面が増えます。

加圧システムがあることで、同時使用時でも安定したシャンプー環境を作りやすくなります。

加圧システムのデメリット

導入費用が高い

加圧システムは高額な設備です。

本体費用だけでなく、設置工事や配管工事も必要になります。

そのため、小規模美容室では導入費用が大きな負担になる場合があります。

ランニングコストがかかる

加圧システムは導入して終わりではありません。

運転にかかる電気代や、システムによっては保温・循環に関わるランニングコストも発生します。

特に循環式のシステムでは、快適性が高い一方で、ランニングコストも考える必要があります。

すべての美容室に必要とは限らない

加圧システムは便利な設備ですが、すべての美容室に必要なわけではありません。

1〜2面の小規模美容室であれば、給湯器構成や水道圧で対応できるケースもあります。

設備は高額なものを入れれば良いというものではなく、美容室の規模に合っているかが重要です。

昔の加圧システムと現在の違い

私がメーカー営業をしていた頃は、貯湯型の加圧システムを提案していました。

この方式は、給湯器で作ったお湯を加圧ユニット内のタンクにため、圧力をかけてシャンプー面へ送り出す仕組みです。

タンクには断熱材が巻かれており、すぐにお湯が冷めるわけではありません。

使用した分だけ給湯器からお湯が補充されるため、構造としては比較的シンプルでした。

メリットは、循環式に比べてランニングコストを抑えやすいことです。

一方で、営業終了後にタンク内のお湯を抜く必要があったり、配管内に残った水の影響で一時的に温度が下がることがありました。

このように、お湯・水・お湯の順に温度変化が起きる現象は、一般的にサンドイッチ現象と呼ばれることがあります。

現在主流の加圧システムは、循環式の考え方が取り入れられています。

ユニット内部のタンクと給湯器が循環し、温度が下がると自動で追い焚きする仕組みです。

また、シャンプー台との配管も循環しているため、温度が安定しやすく、サンドイッチ現象も起きにくくなっています。

現在では、ビューティーガレージのクイックボイラーや、タカラベルモントのDANRYUなどが循環式の加圧システムとして知られています。

加圧システムは高額でも入れるべき?

加圧システムは、導入すれば安定したシャンプー環境を作りやすくなります。

しかし、高額な設備であるため、すべての美容室に必要とは言えません。

シャンプー面が1〜2面の小規模美容室であれば、加圧システムなしでも対応できる場合があります。

一方で、シャンプー面が3面以上あり、複数面を同時に使うことが多い美容室では、加圧システムを検討する価値があります。

大切なのは、メーカーや業者に勧められたから導入するのではなく、自分の美容室の規模や営業スタイルに合っているかを考えることです。

メーカー営業20年の本音

メーカー営業時代、加圧システムはシャンプー面が3面以上ある美容室で提案することが多い設備でした。

ただし、小規模美容室に必ず必要な設備だとは考えていません。

導入費用、工事費、ランニングコストを考えると、1〜2面の美容室では過剰設備になる場合もあります。

一方で、3面以上のシャンプー面を安定して稼働させたい美容室にとっては、営業の安定性を高める有効なシステムです。

加圧システムは、水圧を上げるためだけの設備ではありません。

お客様に安定した温度と水圧でシャンプーを提供し、美容室の営業を安定させるための設備だと考えています。

まとめ

美容室の加圧システムとは、お湯をためて圧力をかけ、シャンプー面へ安定して供給するための設備です。

シャンプー面が3面以上になると、水圧低下や給湯能力不足が起こりやすくなるため、導入を検討する価値があります。

一方で、導入費用やランニングコストがかかるため、すべての美容室に必要な設備ではありません。

小規模美容室では不要な場合もあります。

大切なのは、美容室の規模、シャンプー面数、同時使用頻度、予算に合わせて判断することです。

運営者プロフィール

この記事を書いた人

ネットサロンメイト運営者

大手美容機器メーカーに20年以上勤務し、多くの美容室・美容ディーラーの現場を経験。
シャンプーチェア・シャンプーユニット・給湯設備など、美容室の水廻り設備に長年携わってきた経験をもとに情報発信しています。

  • 美容機器メーカー勤務:20年以上
  • 美容器具・水廻り設備販売:15年以上
  • シャンプーチェア・シャンプーユニットの提案経験多数
  • 美容室オーナー・美容ディーラーと取引多数

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