美容室の給湯器が突然止まる原因とは?営業停止につながる設備トラブル事例

美容室にとって、お湯が出ないトラブルは非常に深刻です。

シャンプー施術ができなければ、営業そのものに大きな影響が出ます。

給湯器の故障と聞くと、給湯器本体の不具合を想像する方が多いかもしれません。

しかし実際には、給湯器本体ではなく、設置環境や吸気・排気の問題によって給湯器が停止するケースもあります。

私は美容機器メーカー営業として20年以上、多くの美容室の開業や改装、設備トラブルに関わってきました。

この記事では、実際に商業施設内の美容室で発生した給湯器停止トラブルをもとに、美容室が開業前に確認しておきたいポイントを解説します。

この記事でわかること
  • 美容室で給湯器が突然止まる原因
  • 吸気・排気不良による給湯器停止のリスク
  • 商業施設内美容室で起こりやすい設備トラブル
  • 給湯器は屋外設置が理想である理由
  • 物件選定時に確認すべき設備条件

美容室で給湯器が止まると営業に大きな影響が出る

美容室ではシャンプー施術に大量のお湯を使用します。

そのため、給湯器が正常に動かなくなると、シャンプー施術ができなくなります。

カットやカラーの技術があっても、シャンプーができなければ通常営業は難しくなります。

特にシャンプー面数が多い美容室では、給湯トラブルが発生した時の影響も大きくなります。

給湯器トラブルは単なる設備不良ではなく、売上やお客様対応にも直結する重要な問題です。

実際に起きた商業施設内美容室の給湯トラブル

私が経験した中でも特に印象に残っているのが、商業施設内の美容室で起きた給湯器停止トラブルです。

その美容室は、セット面8面、シャンプー面4面の比較的大きな店舗でした。

給湯器は2台設置され、加圧ユニットも導入されていました。

設備構成だけを見ると、シャンプー面数に対応するための給湯システムは整っているように見えました。

しかし営業中、給湯器がランダムに停止するトラブルが発生しました。

給湯器の安全装置が作動し、お湯が作れなくなるのです。

一度再起動すると動くものの、しばらくすると再び停止する。

このような状態が繰り返されました。

原因は吸気・排気不良だった

給湯器が停止する原因として疑われたのは、吸気・排気の問題でした。

給湯器は燃焼するために十分な空気を必要とします。

また、燃焼後の排気を適切に外へ逃がす必要があります。

このどちらかに問題があると、安全装置が作動し、給湯器が停止することがあります。

この店舗では、商業施設内に大きな排気ダクトファンが設置されていました。

しかし実際には、排気が十分にできていない状態だったと考えられます。

給湯器メーカーにも確認を依頼し、工事業者も調査しました。

その結果、排気不良以外に考えにくいという判断になりました。

屋内給湯器の怖さ

本来、給湯器は屋外に設置するのが理想です。

屋外であれば、吸気や排気の条件を確保しやすいためです。

しかし商業施設内の美容室では、施設の構造上、給湯器を屋外に設置できないケースがあります。

今回の案件でも、施設の都合により給湯器を屋内に設置する形になりました。

大きな排気ダクトがあるため大丈夫だろうという判断で工事が進められました。

しかし結果として、排気不良により給湯器が停止するトラブルが発生しました。

給湯器本体が壊れているわけではありません。

設置環境が給湯器の正常運転に影響していたのです。

改善しようとしても簡単には解決できなかった

このトラブルでは、給湯器メーカーによる定期的なメンテナンス対応も行われました。

月に1回程度の点検を行い、当社側でメンテナンス費用を負担する形になりました。

しかし根本的な解決には至りませんでした。

給湯器本体を点検しても、設置環境そのものに問題があれば、同じトラブルが再発する可能性があります。

特に商業施設の吸排気設備は、美容室側だけで簡単に変更できるものではありません。

施設側、内装業者、設備業者、給湯器メーカーなど、複数の関係者が関わるため、問題解決が非常に難しくなります。

同じようなトラブルが別店舗でも起きた

さらに印象的だったのは、同じようなトラブルが別の美容室でも起きたことです。

こちらも商業施設内の美容室で、屋内給湯器が使用されていました。

そして同じように排気ダクトファンの不良が疑われ、給湯器が停止するトラブルが発生しました。

全く別の美容室で、ほぼ同じような時期に似たトラブルが起きたのです。

この経験から、私は屋内給湯器のリスクを強く感じるようになりました。

責任問題になりやすい設備トラブル

給湯器が停止して営業に支障が出ると、当然ながら美容室側は大きな損害を受けます。

そのため、トラブルが発生すると責任問題に発展しやすくなります。

今回のようなケースでは、給湯器メーカー、内装業者、設備業者、商業施設側など、さまざまな関係者が関わっています。

しかし美容室オーナーから見ると、目の前にいるメーカー担当者や業者に責任を求めたくなるものです。

実際に私自身も、現場対応で非常につらい思いをしました。

ただ、今振り返ると、これは特定の業者だけの問題ではなかったと感じています。

商業施設という物件を選んだ段階で、給湯器を屋外設置できないという制約がありました。

その制約を十分に理解しないまま出店すると、後から大きな設備トラブルにつながる可能性があります。

物件選びの段階で設備条件を確認することが重要

美容室を開業する際、多くのオーナーは立地、家賃、集客力、内装デザインに目を向けます。

もちろんそれらも重要です。

しかし、美容室は水廻り設備が非常に重要な業種です。

特にシャンプー面数が多い美容室では、給湯器をどこに設置できるのか、吸気・排気は十分に確保できるのかを確認する必要があります。

商業施設内の物件では、自由に給湯器を屋外設置できない場合があります。

その場合、屋内設置に頼ることになりますが、吸排気設備に問題があれば給湯器停止のリスクがあります。

物件を選ぶ段階で、内装業者や設備業者だけでなく、給湯器メーカーも交えて確認することが大切です。

メーカー営業20年の本音

メーカー営業20年の経験から

私の経験上、給湯器は可能な限り屋外設置をおすすめします。

屋内設置は、吸気・排気の条件に大きく左右されるためです。

特に商業施設内の美容室では、施設側の設備条件に制約があります。

大きな排気ダクトがあるから大丈夫だろうと思っても、実際の営業時に給湯器が安全装置で停止することがあります。

給湯器トラブルは、機械本体だけの問題ではありません。

設置場所、吸排気、物件条件、施工内容など、複数の要素が関係します。

だからこそ、物件選定の段階から設備条件を確認することが重要です。

美容室オーナーは専門家になる必要はありません。

しかし、お湯が出なければ営業ができないという事実だけは、開業前に強く意識しておくべきだと思います。

まとめ

美容室の給湯器が突然止まる原因は、給湯器本体の故障だけではありません。

吸気・排気不良、設置環境、商業施設の設備条件などが関係する場合があります。

特に屋内給湯器は、排気設備に依存するため注意が必要です。

シャンプー面数が多い美容室では、給湯器が停止すると営業に大きな影響が出ます。

開業前には、給湯器をどこに設置できるのか、吸気・排気は十分に確保できるのかを必ず確認しましょう。

美容室の物件選びでは、立地や家賃だけでなく、給湯設備の条件まで確認することが大切です。

運営者プロフィール

この記事を書いた人

ネットサロンメイト運営者

大手美容機器メーカーに20年以上勤務し、多くの美容室・美容ディーラーの現場を経験。
シャンプーチェア・シャンプーユニット・給湯設備など、美容室の水廻り設備に長年携わってきた経験をもとに情報発信しています。

  • 美容機器メーカー勤務:20年以上
  • 美容器具・水廻り設備販売:15年以上
  • シャンプーチェア・シャンプーユニットの提案経験多数
  • 美容室オーナー・美容ディーラーと取引多数

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