これから美容室を開業する方の中には、「狭い店舗でもスタイリングチェアは置けるのだろうか」と悩んでいる方もいると思います。
特に1人美容室や小規模美容室では、限られたスペースを有効活用することが重要です。
しかし、狭い美容室だからといって単純に小さいスタイリングチェアを選べば良いわけではありません。
私は美容機器メーカーで20年以上営業をしてきました。
その中で数多くの美容室開業を見てきましたが、成功する美容室と失敗する美容室には共通点がありました。
今回は狭い美容室でも失敗しないスタイリングチェア選びと、レイアウトの考え方について解説します。
- 狭い美容室で失敗しやすいポイント
- スタイリングチェア選びの考え方
- 1人美容室に必要なセット面数
- レイアウトで重要なポイント
- メーカー営業20年の本音
結論|狭い美容室ほどレイアウトを重視するべき
最初に結論をお伝えします。
狭い美容室で重要なのは、小さいスタイリングチェアを探すことではありません。
限られたスペースをどのように活用するかを考えることです。
スタイリングチェアだけでなく、通路やワゴンの動線、お客様の移動スペースまで含めて設計することが大切です。
私の経験では、設備選びよりもレイアウト設計の方が重要なケースも少なくありませんでした。
メーカー営業20年の本音
狭い美容室ほど設備選びよりレイアウトが重要です。
設備は後から交換できますが、店舗の広さは簡単に変えられません。
開業前にしっかり動線を考えておくことをおすすめします。
狭い美容室とは何坪くらいを指すのか?
一概には言えませんが、私の感覚では7坪程度が小規模美容室の一つの目安だと思います。
ただし美容室にはセット面だけでなく、待合スペースやバックヤードも必要です。
さらにシャンプーブースや収納スペースも考慮しなければなりません。
そのため単純に坪数だけではなく、どのような営業スタイルを目指すのかが重要になります。
狭い美容室で失敗しやすいポイント
小規模美容室で最も多い失敗は、設備を詰め込みすぎることです。
特に開業時は将来の夢や理想が膨らみます。
しかし現実とのバランスも考えなければなりません。
通路が狭くなる
私が最も気になるのは通路です。
スタイリングチェアを増やしすぎると、お客様やスタッフが移動しにくくなります。
特にワゴンを使用する美容室では、動線の確保が非常に重要です。
毎日の業務に支障が出るようなレイアウトはおすすめできません。
セット面を増やしすぎる
将来的な拡大を見据えて、必要以上にセット面を設置するケースもあります。
しかし実際にはスタッフが増えなければ活用できません。
その結果、使われないセット面が場所を占有してしまうこともあります。
実際に見た「セット面を増やしすぎた美容室」の話
私が過去に見た美容室の中には、オーナー1人で営業しているにも関わらず、6面のセット面を設置している店舗がありました。
もちろん開業当初から失敗しようと思っていたわけではありません。
そのオーナーには明確な将来計画がありました。
スタイリストやアシスタントを増やし、店舗を大きくしていく予定だったのです。
しかし現実は計画通りには進きませんでした。
結果として使われないセット面がスペースを占有し、店舗効率を下げてしまっていました。
駅前だから成功するとは限らない
その美容室は立地だけを見れば決して悪くありませんでした。
駅前という好立地だったからです。
しかし後から考えると、一つ見落としていたポイントがありました。
それは駅の利用者数です。
駅前という言葉だけで判断してしまうと、本当の集客力は見えてきません。
1日の乗降客数や周辺人口、競合状況なども確認する必要があります。
私はこの事例を見て、ロケーションだけではなく市場調査も重要だと改めて感じました。
メーカー営業20年で学んだこと
設備選びで失敗する美容室は少なくありません。
しかし本当の原因は設備ではなく、事業計画にあるケースも多いと感じています。
設備は将来の理想だけでなく、現実的な売上計画に合わせて選ぶことが大切です。
1人美容室ならセット面は何面必要?
営業スタイルによって異なりますが、1人美容室であれば2面程度が一つの目安になると思います。
パーマやカラーの放置時間を活用して、もう1人のお客様を対応することも可能だからです。
もちろん高度な技術や時間管理が必要になるため、全ての美容師に向いているわけではありません。
しかし将来的な運営を考えると、2面程度あれば十分対応できるケースが多いでしょう。
ワゴンや荷物置き場も忘れてはいけない
スタイリングチェアの配置ばかりに目が行きがちですが、ワゴンや荷物置き場のスペースも重要です。
ワゴンは美容室営業に欠かせない設備です。
通路が狭いと移動しづらくなり、スタッフの作業効率も低下してしまいます。
またお客様の荷物置き場も必要です。
大型店ではロッカーを設置しているケースもありますが、小規模美容室では限られたスペースを有効活用する工夫が求められます。
スタイリングチェアだけでなく、店舗全体の動線を考えてレイアウトすることが大切です。
小さな美容室には小さな美容室の強みがある
私はこれまで多くの美容室オーナーを見てきました。
その中には、以前は複数のスタッフを抱え、多店舗展開していたオーナーもいました。
しかし人材確保の難しさや経営環境の変化により、店舗を整理し、再び1人美容室としてスタートした方も少なくありません。
これは決して失敗ではありません。
むしろ美容師という仕事は技術職です。
技術力があり、お客様から支持されていれば、規模を小さくしても十分に経営を続けることができます。
私はそうしたオーナーを数多く見てきました。
だからこそ、これから開業する方も最初から大きな店舗を目指す必要はないと思います。
小さく始めて大きく育てる考え方も大切
特に開業時は理想や夢が大きくなりがちです。
しかし現実には売上や集客、人材確保など多くの課題があります。
まずは小規模でスタートし、しっかり利益を出す。
そして必要になった時に大きな店舗へ移転する。
私はその考え方の方がリスクを抑えられると思います。
美容室に限らず、多くの商売で共通する考え方ではないでしょうか。
メーカー営業20年の本音
私は美容室開業で一番大切なのは「無理をしないこと」だと思っています。
立派な店舗や多くのセット面が成功を保証してくれるわけではありません。
大切なのは、お客様に支持される技術とサービスです。
小さな美容室でも繁盛しているお店はたくさんあります。
まずは自分が無理なく経営できる規模からスタートすることをおすすめします。
まとめ
狭い美容室で重要なのは、小さいスタイリングチェアを探すことではありません。
限られたスペースをどのように活用するかを考えることです。
特に通路やワゴンの動線、お客様の移動スペースは十分に確保する必要があります。
また将来の理想だけでセット面を増やしすぎることもおすすめできません。
私が見てきた美容室の中には、将来の拡大を見越して設備投資をしたものの、計画通りに進まなかったケースもありました。
設備選びは理想だけでなく、現実的な事業計画と合わせて考えることが大切です。
そして美容室経営には、大きな店舗だけが正解というわけではありません。
小さな美容室には小さな美容室の魅力があります。
無理のない規模でスタートし、お客様に支持される美容室を目指してほしいと思います。
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