「技術には自信があるのに、なぜか2回目の来店につながらない」
「施術後は喜んでもらえたのに、その後来店されない」
美容室を経営していると、このような悩みを感じることがあると思います。
リピートされないと、つい「技術に問題があったのでは?」と考えてしまいがちです。
しかし、お客様が美容室をもう一度利用するかどうかは、技術だけで決まるものではありません。
私は美容機器メーカーで20年以上営業し、多くの美容室オーナーや美容師の方と接してきました。
また、自分自身も一人のお客様として美容室を利用します。
その両方の立場から感じるのは、美容室側が考える「良い技術」と、お客様が感じる「また来たい」は必ずしも同じではないということです。
美容室でリピートされない理由は、技術だけではありません。
✔ カウンセリング
✔ 待ち時間・施術時間
✔ 接客の距離感
✔ 店内での居心地
✔ 設備の快適性
✔ 価格への納得感
✔ 次回来店の案内
✔ 予約のしやすさ
こうした「来店してから次に予約するまでの体験全体」が再来店に影響します。
美容室でリピートされないのは技術だけが原因ではない
美容師にとって技術は非常に重要です。
カット、カラー、パーマなどの仕上がりに満足してもらうことは、再来店してもらうための大前提だと思います。
しかし、お客様は美容室を「技術だけ」で評価しているわけではありません。
予約してから来店し、施術を受け、会計をして店を出るまで、さまざまなことを感じています。
- 予約しやすかったか
- 待たされなかったか
- 希望をきちんと聞いてもらえたか
- 店内で快適に過ごせたか
- 美容師との会話は心地よかったか
- 料金に納得できたか
- また予約したいと思えたか
一つひとつは小さなことでも、それらを含めた総合的な印象が「また来たい」という気持ちにつながります。
メーカー営業20年以上で感じたこと
美容室オーナーと話していると、設備や技術について非常に細かく考えている方がたくさんいます。
一方で、お客様は美容師とは違ったところを見ていることがあります。
美容室側では当たり前になっていることでも、お客様にとっては「もう一度行くかどうか」を決める理由になることがあります。
リピートを考えるときは、美容室側の視点だけでなく「お客様としてこの店にもう一度来たいか」という視点も大切だと思います。
美容室でリピートされない10の理由
ここからは、技術以外も含めて、お客様が再来店しなくなる原因として考えたいポイントを見ていきます。
① カウンセリングで希望を十分にくみ取れていない
仕上がりそのものは悪くなくても、お客様が「自分の希望を分かってもらえなかった」と感じれば満足度は下がります。
美容師から見ればきれいな仕上がりでも、お客様が求めていたものと違えば評価は変わります。
技術力だけでなく、最初にどれだけ希望をくみ取れるかも重要です。
② 待ち時間が長い
予約時間に来店したのに長く待たされると、お客様は不満を感じやすくなります。
特に仕事や家事の合間に来店しているお客様にとって、時間は非常に重要です。
毎回のように待ち時間が発生する場合は、技術とは別の理由で「通いにくい美容室」と判断される可能性があります。
③ 施術時間が予定より長い
カラーや縮毛矯正など、もともと時間のかかるメニューはあります。
しかし、想定していた時間より大幅に長くなる状態が続けば、お客様の負担になります。
仕上がりだけでなく「どのくらい時間がかかるのか」も美容室選びの一部です。
④ 接客の距離感がお客様と合っていない
美容室で会話を楽しみたいお客様もいれば、静かに過ごしたいお客様もいます。
どちらが正しいということではありません。
大切なのは、お客様によって心地よい距離感が違うことです。
会話量や接客スタイルを一律にするのではなく、お客様の反応を見ながら調整することも必要だと思います。
⑤ 店内で快適に過ごせない
美容室では、カットだけなら比較的短時間でも、カラーやパーマ、縮毛矯正では2〜3時間以上滞在することがあります。
そのため、店内の快適性も無視できません。
- 室温
- 店内の清潔感
- 音や雰囲気
- スタイリングチェアの座り心地
- シャンプー時の姿勢
長時間メニューほど、こうした小さな不快感が積み重なりやすくなります。
ネットサロンメイトでは美容室設備についても詳しく解説しています。
美容室設備をお客様目線から見直したい方はこちら
→ 美容室設備・美容器具の選び方まとめ⑥ シャンプーやセットイスがつらい
設備は美容師が使いやすいことも重要ですが、実際に長時間座ったり横になったりするのはお客様です。
スタイリングチェアの座面が硬い、シャンプー時に首がつらいといったことも、お客様の美容室体験に影響します。
特に高齢のお客様や腰・首に負担を感じやすいお客様では、設備との相性がより重要になります。
設備そのものがリピートを決めるとは言えませんが、快適性を構成する一つの要素として考えておきたいところです。
疲れにくいスタイリングチェアについてはこちら
→ 疲れにくいスタイリングチェアの特徴とは?美容室で快適性を高める選び方⑦ 料金に対する納得感がない
料金が高いこと自体が、必ずしもリピートされない理由になるわけではありません。
重要なのは、お客様が支払った金額に対して「この美容室ならこの価格でも通いたい」と感じられるかどうかです。
反対に、料金が安くても満足度が低ければ再来店にはつながりません。
価格だけではなく、技術・接客・快適性などを含めた価値とのバランスが重要です。
⑧ 「次はいつ来ればいいのか」が分からない
施術に満足して帰っても、お客様自身が次回来店のタイミングを正確に把握しているとは限りません。
例えば、
- 「このくらいでカラーが気になってくると思います」
- 「次は○週間くらいを目安にすると扱いやすいですよ」
といったように、次回来店の目安を伝えるだけでも、お客様は次の予定を考えやすくなります。
ここで大切なのは、無理に予約を取ることではありません。
お客様にとって必要な来店時期を分かりやすく伝えることです。
次回来店につなげる考え方はこちら
→ 次回来店につながる美容室の共通点⑨ 次回予約を取りにくい
「また行きたい」と思っていても、次の予約が面倒だと後回しになることがあります。
電話をしなければ予約できない、営業時間内でなければ予約できない、空いている日時が分からない、といった状態です。
お客様の気持ちだけに頼るのではなく、再来店しやすい環境を作ることも大切です。
⑩ 来店後に美容室との接点がなくなる
来店後、数か月間まったく接点がない場合、お客様が美容室のことを思い出す機会も減っていきます。
ただし、頻繁に営業メッセージを送れば良いという話でもありません。
LINEなどを使う場合も、お客様にとって必要な情報を適切な頻度で届けることが重要です。
「満足した」と「また来る」は同じではない
ここはリピートを考えるうえで、とても重要なポイントです。
施術後にお客様から「ありがとうございました」「気に入りました」と言ってもらえたとしても、それだけで次回来店が約束されたわけではありません。
お客様には多くの美容室という選択肢があります。
さらに引っ越し、仕事、家族、価格、予約の都合など、美容室側ではコントロールできない事情もあります。
そのため「リピートされなかった=技術や接客が悪かった」と単純に考える必要はありません。
一方で、美容室側で改善できる部分がないかを確認することには意味があります。
まず「どこで離脱しているのか」を考える
リピートされない原因を改善するなら、すべてを一度に変えるのではなく、お客様がどの段階で離れているのかを考えてみましょう。
新規予約
↓
初回来店
↓
カウンセリング
↓
施術・店内体験
↓
会計
↓
次回来店の案内
↓
再予約
↓
2回目の来店
例えば、新規客は多いのに2回目が極端に少ないのであれば、初回来店時の体験や次回来店へのつなぎ方を確認する必要があります。
反対に、2回目までは来るのにその後定着しないのであれば、別の問題を考える必要があります。
「リピートされない」を一つの問題として考えず、どの段階でお客様が離れているのかを見ることが大切です。
リピート率そのものに課題がある場合はこちら
→ リピート率が低い美容室の予約構造とは?2回目は来るのに固定客にならない場合は原因が違う
初回来店から2回目につながらない問題と、何度か来店しているのに固定客にならない問題は分けて考えた方がよいでしょう。
2回目までは来店してくれるのであれば、初回来店時の満足度だけが問題とは限りません。
3回目、4回目と継続する中で、予約の取りやすさ、価格、来店周期、他店との比較など別の要因が関係している可能性があります。
「来店はするけれど定着しない」という場合はこちら
→ リピーターが定着しない美容室へ予約のしにくさもリピートを妨げる一つの原因
ここまで見てきたように、リピートされない原因は予約だけではありません。
ただし、お客様が「また行きたい」と思ったときに予約しにくい状態は改善しておきたいところです。
特に小規模美容室や1人サロンでは、施術中に電話へ出られないこともあります。
営業時間外に予約したいお客様もいるでしょう。
そのため、
- WEBから予約できる
- スマートフォンで空き状況を確認できる
- 営業時間外でも予約できる
- 予約方法がすぐ分かる
といった環境を整えておくと、お客様が再予約しやすくなります。
予約システムは「リピーターを作ってくれるもの」ではありません。
また来たいと思ったお客様が、予約するときの障害を減らすための仕組みと考える方が分かりやすいと思います。
リピートされないときに見直したいチェックポイント
リピート率が気になる場合は、次の項目を一度お客様目線で確認してみてください。
- 初回カウンセリングで希望を十分に確認できているか
- 予約時間から長く待たせていないか
- 予定した施術時間を大きく超えていないか
- お客様に合わせた接客ができているか
- 長時間でも快適に過ごせる店内になっているか
- 価格に対する価値を感じてもらえているか
- 次回来店の目安を伝えているか
- 予約方法が分かりやすいか
- 営業時間外でも予約できるか
- 来店後の接点を作れているか
全部を改善する必要があるとは限りません。
自店のお客様がどこで不便や不満を感じている可能性があるのか、一つずつ確認することが大切です。
メーカー営業20年以上の経験から
長年美容室と関わってきて感じるのは、設備、技術、接客、予約方法のどれか一つだけで良い美容室が作られるわけではないということです。
お客様は美容室で過ごした時間全体を体験しています。
だからこそ「技術には自信があるのにリピートされない」と感じたときは、技術を疑うだけではなく、予約から退店後までを一度お客様の立場で見直してみることをおすすめします。
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まとめ|「また来たい」と思ってもらえる美容室を考える
美容室でリピートされない理由を、技術だけに求める必要はありません。
お客様は仕上がりだけでなく、予約、カウンセリング、待ち時間、接客、設備、居心地、料金、次回来店のしやすさまで含めて美容室を体験しています。
もちろん、お客様が再来店しない理由をすべて美容室側が知ることはできません。
それでも、自店で改善できる部分をお客様目線から見直すことはできます。
特に大切なのは、
- 技術だけで判断しない
- 来店中の体験全体を見る
- 次回来店の目安を伝える
- 再予約しやすい環境を作る
という4つです。
そして予約のしにくさが再来店の障害になっている場合は、予約方法そのものを見直すことも選択肢になります。
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